夢の瀬戸内海浄化に向けてEMサミット開催


行政関係者や県外から多数参加で盛会に開催
瀬戸内海で三番目に大きい風光明媚な山口県大島郡橘町において橘町及び同漁業振興推進対策協議会の全面的な支援と(社)日本WHO協会、大島郡漁業協同組合組合長集会、(財)自然農法国際研究開発センター、瀬戸内海沿岸のEM普及協会、中国新聞社の後援とイーエム研究機構、(有) 熱帯資源植物研究所、(株)イーエム総合ネットの協賛を得た瀬戸内海EMサミットが10月22、23日の二日間に渡ってU-ネットの主催で開催された。

開催日初日には雨にも関わらず参加者は行政及び漁業関係者が100名以上、県外から140名(重複数有り)を含め500名ほどであった。
浜渕委員長の挨拶の後、(社)日本WHO協会の南理事から現代の若者の肉体及び環境問題の改善のためにはU-ネットの動きがWHOの方針に合致しているとの挨拶があった。

橘町の椎木課長、中原町議会議員から焼却場等へのEM活用を含め橘町等島内の状況とEMの活用により海が蘇りつつある事と今後の計画の報告等がなされ、引き続き安下庄高校生による体験発表が行われた。

第2部のフォーラム「豊かな海づくりとまちづくり」は中本橘町長、佐藤内海町長、山脇安芸津町助役、村瀬広島EM普及協会事務局長とコーディネーター高橋U-ネット顧問によって進められ、それぞれの町において取り組みが始まった経緯や効果についての説明が行われ、先進地であり視察も多くその対応等の苦労や今後の展開の方針についての披瀝がなされた。臭気問題の解決、高度成長期に推奨された化学肥料や農薬の弊害対策等から取り組みが開始されたケースが多く、効果としては臭気の大幅低減、ヘドロの消滅、魚や貝の復活等自然環境が驚異的に回復してきたとの話であった。

その後、会場からの質疑時間も設けられ、発表者のみならず浜渕委員長や参加者も含めて回答説明がなされた。最後に最新事例を含めた比嘉教授による甦る未来「EM技術で甦る湖沼や海」の記念講演で初日は閉会した。

EM活用によるゴミ焼却場の環境改善
活性液放流状況の写真
活性液放流状況
二日目は希望者による見学会が行われ、最初に橘町中心部が一望出来る安下庄高校で中本橘町長から町の状況と本来嫌悪設備である汚水処理場がEMを使用する事により臭気問題等に対応出来るとの判断から、町役場に隣接する町の中心部に建設中で、将来は放流口で蛍を育てたいとの夢が語られた。
続いて、浦上運営委員の浦上水産に行き、活性液作りの状況、出来た活性液の放流実演、海への状況と効果の説明を受けた。

工場等の前には沢山の培養タンクが並べられ、拡大培養液は平均2t/日の量を流し、年間にすれば700t強となる。
放流先の船溜りの透明度も高く、小魚の遊泳も見られ、例年であれば離岸する鰯が今も取れており、2億円の水揚げとの説明があった。

最後は焼却場における活用状況を見学した。活用場所は9月15日づけ情報で紹 介した通り、ごみピット内への散布とごみ収集車の洗車ピットに対して行われ、ごみピット内へは設置当初に悪臭対策として設置されていた消臭剤添加設備を転用して20リットル/10分が3回/日行われており60リットル/日の使用との説明がなされた。

ごみピット部の臭気については思い入れの差のためか評価は分かれていたが、ピットの横で説明が行われた事から判断すれば通常状態が大幅に改善されている事は理解できると思われる。

なお、23日の山口新聞に「夢ではない瀬戸内海浄化」のタイトルで今回の瀬戸内海EMサミットが大きく取り上げられていた。


50年の機械技術の工夫をEM普及に生かす


U-ネット・技術委員である新潟県三条市の横山昭六氏を訪問した。三条市は新潟市と長岡市のほぼ中間。町のあちこちに「ハイテクの町・三条」の標識があり、隣の燕市は大工道具で有名な金物の町である。

50年の機械技術の工夫をEM普及に生かす 氏は戦中から機械技術を研鑚し、EMに関わってから環境保全研究所を設立。
EMを活用するための様々な機械、例えば生ごみ処理装置「健土くん」、農耕用の施肥穴あけ具「掘打くん」やボカシ造り混合機など、独自の工夫を駆使した機械を開発、設計し特許登録している。生ごみ粉砕機構の歯の構成も効率的に動く様に工夫されており、脱水のための圧縮には水道の水圧を増倍して使うなど、簡単でユニークな発想が盛り込まれている。特許は防衛的なもので、使用許可を求めれば誰にでも公開するという。

また、弥彦神社近くの観光ホテル大橋の生ごみ処理、庭園池の浄化や、三条八幡神社の「池の落ち葉が腐る、清掃費を切り詰めたい」という依頼で去年から曝気(ばっき)装置を設け、2週に100リットルの活性液を投入するなどの対処により、今は悪臭も無く水も良くなりつつあるという。今はまだ難しいが、これらの成果が出たら将来市の行政を動かすテコにしたいと言う。

氏は自宅の他、二か所を借りてネギ、大根、キャベツなどのEM野菜作りを実践している。「自分の作る機械は全て自分の実践と経験の積み重ねから出たアイデアが基になっている。頭の発想だけではだめだ」と言う。

今やEMの応用はあらゆる分野に拡大しており、多くの人や企業がより効率的に使える事が求められるだろう。その時、人手の助けになる優れた機械が要る。氏はこの様な機械を生み出すU-ネットで稀有な人である。


困った時は岩井さんに聞け・EM農家を支える現場活動から


最近のU-ネット活動は、河川・湖沼・内海に係る水質浄化が中心となっているが、農業分野においても、U-ネットの現場活動がEM農家を支えている。 今回は、EM農家を支えて10年、従事者から絶大な信頼を寄せられている岩井和廣さん(千葉県リーダー・技術委員)の「1日の活動」をお届けする。

10月中旬の朝8時半、岩井さん経営のEM酵素風呂にお邪魔したが、岩井さんは既に今日1日の段取りを終えていた。到着早々、岩井さんに同行して関係先農家に向かうことになった。

徹底した土壌改良・みずみずしくて甘い梨
最初に訪れたのは千葉県印西市で果樹園を経営する農家・水谷園である。水谷園は足掛け8年にわたりEMによる梨作りに取組み、「水谷平右エ門の梨」として大きな成果を上げている。

大きく実った梨の下
大きく実った梨の下で
左から岩井、水谷、
山崎、水谷夫人の皆さん
年収は1千万円を越えているが、市場を通さない直接販売(生協やファックスによる注文)により完売しているという。今年の作柄や販売状況などの話しが進む中、近隣でEM農業を進めている仲間の山崎さんも加わって、狂牛病対策、肥料改良問題へと話題が尽きない。

水谷園では、岩井さんの指導を受けながら、EM活性液・木酢液・魚粉・もみがら・おからを活用した堆肥作りを進め、剪定した梨の枝も炭にして土に入れるなどの工夫を施し、公的機関から連続して「残留農薬検出せず」の証明書を取得している。収穫期は、8月の品種・幸水から始まり、豊水、新高、愛宕、秋峯と11月まで続くが、どれも好評で出荷をお断りするケースが発生していると言う。

学童たちに大評判のEMキウイ
次に訪れたのは、同じ印西市でキウイ農業を営む廣瀬さんのお宅で、廣瀬さんは、かつて、野菜を中心に大規模農業を経営し近隣農家のまとめ役もしていたと言う。
奥様の病気を契機に規模を縮小し、9年前からキウイ栽培をしている。岩井さんの指導によりEM栽培したキウイは味が良いと評判となり、幼稚園や小学校の給食に採用され、収益も安定している。EMキウイの味に狙いをつけたカラスの撃退対策など、笑顔が絶えない。

大規模ハウスの水耕栽培でもEM活用
最後に、茨城県北浦町で水耕栽培にEMの活用を始めた山崎さん親子を訪問した。山崎さん親子は、色々な経緯と偶然が重なってEMを試用することになったという。その活用方法は、岩井さんが紹介者を通じて息子さんに提供したものであった。

ところが、EMを活用して栽培したトマトは、味が良く消費者の受けも良い事が判った。息子のいう事に半信半疑だった山崎さんも、EMの事を更に知りたくなり、今回は岩井さんに次々と質問を浴びせる事になった。
昼食抜きで始まった話し合いは夕方まで続き、ついに山崎さんの依頼で岩井さんが自宅への案内地図を書き、後日岩井さんを訪ねて頂く事にしてお暇することになった。

EMの情報と実践の最前線を行く
岩井さんは、三浦半島での大根・キャベツ・レタス栽培、千葉・埼玉両県での養鶏、茨城県土浦市でのダチョウの飼料作り、近隣農家の水稲栽培などなど、EM農法に取り組む農家からの問合せと指導依頼に超多忙な毎日を送りながらEM農家の現場を支えている。
なお、EM農法については専門的な内容が多いので、いずれ、U-ネット技術委員会で本人から直接リポートして頂く事にする。


EMボカシの簡易テスト
EM研究機構研究員の星野豊さんに、EMを使用した簡単なテストを紹介していただきました。
今回は6種類のEMボカシを使用し、方法は以下の通りです。

  1. 生ゴミ処理用EMボカシ(もみがら含む)15〜20gを広口の透明なボトルに入れる。
  2. 200〜300ミリリットルの水を加え、空気が入るように栓をのせるだけにして室温で培養する。
  3. 生育してくる微生物を観察する。
この方法でテストすると、ボカシの作られた条件により、ボトルの表面がムコール(Mucor 毛カビ)が主体になるものと、液面酵母が優勢になるものと二つのタイプに分類されます。(写真1,2。またこのような傾向は、土づくりに使用しても表れます。)

表層がムコール(毛カビ)主体となったボカシ(右)は、有機酸の生産によりpH5以上にならず、腐敗臭を発しません。 しかし、液面酵母が主体となったボカシ(左)は、pH5以上になると腐敗臭を発する場合があります。

つまり、液面酵母が主体となるボカシは、生ゴミ処理において臭気発生の原因のひとつになることが考えられます。 星野さんは「今後はボカシを湿らせ、好気及び半嫌気状態で培養する形(生ゴミバケツで処理する状態と同じ)で、主体になる微生物相とpH、臭気等について検討するつもり」とおっしゃっていました。このような身近な実験がEMの技術を伸ばし、効果的に使用する糸口になるのかもしれません。ご家庭でも試してみてはいかがでしょうか。

EMボカシの簡易テスト
左:酵母主体 右:ムコール主体
EMボカシの簡易テスト
写真1を上からみたところ


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