食品残渣の再資源化と畜糞等の堆肥化の改善活用
食品残渣再資源化の動きの加速
 U-ネット北海道地区ネットリーダーの石川さん((株)K&K社長)により、北海道札幌市の「札幌グランドホテル」に食品残渣再資源用乾燥システムが納入され、現在、順調に可動している。

 このシステムは、レストランの厨房等で発生する生ゴミをEM活性液が噴霧される粉砕乾燥装置に投入すると、自動的に乾燥し、その残渣が運搬用の箱に排出されるもので、乾燥排ガスは土壌脱臭の処理が行われているため、作業も簡単、単純。装置の廻りは非常にクリーンで、且つ、環境への配慮も十分なされている。

 その後、この残渣は(株)K&Kの工場に搬入されて、豚、鶏の餌や有機肥料として再資源化が図られる。

 このシステムは、焼却より有利なコストとなっていることも踏まえて、JR札幌駅南口開発の一貫として建設中のホテル等においても設置されることが決まっている。

 ホテル等のサービス業にとっては環境とコスト改善が一括して対処できるシステムであるので、食品リサイクル法の後押しも考えられ、今後の発展が期待されるシステムと思われる。

食品残さ肥飼料化システム
食品残さ肥飼料化システム


土壌改善による安心で安全な作物生産を目指して
 また、化学万能主義によって進められた、農薬と化学肥料で土壌が痛み、汚染された農業王国の北海道を、「環境浄化と資源循環型農業による、安心で安全な食物生産基地に変えたい」との願いに基づいて行なわれているEMを活用した飼料や堆肥作りの経験は、当然ながら生ゴミ、農業残渣、畜糞をあわせた堆肥化システムを開発し、U-ネット顧問の福田さんと共に、日夜普及拡大の努力がなされている。

 このシステムもEMによる有用発酵が基本技術であり、堆肥化された製品は有価物として家畜や作物に、より有効に利用されることとなる。

 ローコストで環境にもやさしいシステムであるので、現在、北海道のみならず関東からも引き合いがきている。



1%のEM発酵飼料による畜産環境の改善
 植物性食品残渣と米糠を主体とした原料をもとに、EMで発酵させた飼料「モーゲンキ」を餌に加えて与えることで、牛舎や尿溜槽の悪臭が激減してきている。与える量は牛1頭当たり200g/日(1日当たりの餌量の約1%)。昨年9月からモーゲンキを与え始めた牧場を訪問し、オーナーから使用後の状況の変化について話を聞いた。

 訪問が雪解け時期であり、厩肥置場周辺は長靴を必要とする状況の中での取材であったが、メインの取材者であったアウトドアライターの天野礼子さんからは「これまでに訪問した他の牧場の臭気は、取材経験から判断するとここの30倍位に感じられる。」との感想が述べられた。

食品残さ肥飼料化システム  牧場のオーナーから、モーゲンキを与え始めてから「餌の食い込みが良くなった。牛舎内の匂いが減った。若干、乳脂肪率が上がった。尿溜槽の臭いが昨年中は大幅に改善され良かったが、厳寒期に入って菌の活性が悪くなったのか臭いがしだした。」との感想がのべられた。また、「使用してから小学生等の見学が増え、苦情が多かった尿の散布時の反応が、今年は大きく改善されるだろうと期待し楽しみである。」との話しがなされた。

 積み上げられた厩肥も表面は寒さの影響を受けていたが、中は順調に発酵していたとの報告がなされた。
 わずか1%の添加で大きな改善がはかられていた。


取手市の生ごみリサイクルモデル事業・堆肥化システム
 取手市の生ごみリサイクルモデル事業については、事業スタートに至る経緯をU-ネット通信1月号にて紹介したが、3月中旬に堆肥センターの諸設備が完成し本格稼動しているので、その内容を続編として紹介する。

事業主体は取手市、NPO緑の会が全面受託
 事業主体は取手市(リサイクル推進課)であるが、8年間生ごみリサイクルにボランティアで取組んで来たNPO緑の会が、市から全面的に作業を受託し、取手市シルバー人材センター(人材供給)と市立知的障害者施設(ボカシ供給)の協力を得て実施している。実行期間は5年間とし、当面の目標として1,000世帯の家庭生ごみを回収・堆肥化し資源として活用して行く。

堆肥化は好気発酵と嫌気発酵の組み合わせ(堆肥化フローチャート参照)
 モデル事業の基本システムと流れは、
(1)家庭生ごみをEMボカシ和え処理(各家庭)
(2)週1回収(堆肥センター)
(3)粉砕・水分調整後メッシュパレットにて好気発酵(堆肥センター・30〜40日)
(4)フルイにかけた後ビニール袋で嫌気発酵(堆肥センター・45〜60日)
(5)肥料として活用(モニター家庭及び試験栽培農場)
となっている。

更に、臭気・防虫対策として近々静電噴霧機によるEM活性液散布装置を設置する。

堆肥化フローチャート


建物と主要設備は市が負担
 モデル事業は「何時でも、何処でも、誰でもが応用できる生ごみ堆肥化システムづくり」を目指しており、設備面においても出来るだけ簡単で安く安定的に利用できるよう工夫されている。

市が負担する主要設備・備品は次の通り(一部平成14年度予算措置)。



東北北部地区の環境改善活動を飛躍的に広げる
U-ネット岩手とEM研究機構との協力体制
日々追加される実践活動
お堀の浄化に参加する子供たち
お堀の浄化に参加する子供たち
 東北北部地区における環境改善の実践活動は、平成13年4月のU-ネット岩手とEM研究機構・盛岡事務所の開設を契機に驚異的な広がりを見せている。
 発足以来継続している主な活動事項を紹介すると次の通りである。
  1. 盛岡城お堀・池の浄化活動(平成13年5月〜)
  2. 盛岡市上田通り街路樹・アメリカシロヒトリ防止対策(平成13年5月〜)
  3. 盛岡市保護庭園一ノ倉邸・アメリカシロヒトリ防止対策(平成13年5月〜)
  4. 盛岡市小中学38校プール・使用前洗剤の使用防止と水質浄化(平成13年5月〜)
  5. 盛岡市小学2校・給食室グリーストラップヘドロ悪臭対策(平成13年5月〜)
  6. 盛岡市高松池隣の釣堀・水質浄化(平成13年6月〜)
  7. 盛岡市りんご農園・早期落下防止テスト(平成13年6月〜12月)
  8. 北上市江釣子小学校プール・使用前洗剤の使用防止と水質浄化(平成13年11月〜)
  9. JRバス東北の洗車用水・鉄さび防除試験(平成13年11月〜)
  10. 盛岡市りんご畑・EM活用栽培テスト(平成13年12月〜)
  11. 盛岡市小学校・総合学習への講師派遣(平成14年2月〜)
  12. 平泉毛越寺・松食い虫防止対策(平成14年4月〜)
  13. 宮城県気仙沼・水産加工工場悪臭除去(平成14年4月〜)
  14. 岩手県玉山村生出小プール・使用前洗剤の使用防止と水質浄化(平成14年4月〜)
 これら活動の広がりは、地元マスコミにも盛んに取り上げられ、ボランティア活動員等を通じた講習会や講演会の開催依頼も多く、日々活動の広がりを見せている。

 また、比嘉教授と増田岩手県知事との会談(平成13年4月)以降、県や国土交通省(東北地方整備局岩手工事事務所)の関心が高まり色々な共同研究課題が持ち込まれつつある。

事務所と作業場も一体のU-ネットとEM研究機構
 こうした活動を支えているのが、横田綾二・U―ネット岩手県リーダーを中心とするボランティアグループ(会員登録50名、参加総数60名)とEM研究機構盛岡事務所(4月現在3名、5月から5名に増員予定)との綿密な協力体制である。

 二つの事務所は同一建物の中にあり、EM活性液製造の現場も隣接していて、まさに寝ている時間以外は何時でも連絡を取り合いながら作業分担とスケジュールを決め強力な実践活動を積上げている。因みに、取材をさせて頂いた4月14日、15日には早朝から夜まで次のような実践作業が同時並行的に繰り広げられていた。

4月14日(日) 4月15日(月) こうした実践活動は今後益々大きくなることが予想され、本部や各支部、事務所との情報と技術の交換・交流が益々重要になりつつある。



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