定着し、拡大する"甦る有明海ネットワーク"の浄化活動
〜活動を支える250名のEMインストラクターたち〜
活動拠点の拡大と定着を支える各地区のEMインストラクター

 平成13年度に始まった有明海の"EMじゃぶじゃぶ作戦"は、活動拠点(EM活性液を培養する1トンタンク設置)が初年度の21ヶ所から2年目には42ヶ所へと急拡大し、更に拡大する勢いである。この拠点を中心とした市民ボランティア団体や漁民・行政機間の協力による活動は、各家庭での"米のとぎ汁EM発酵液の活用"、漁場・河川への"EM活性液とEMどろ団子の投入"という形で進められており、宝の海・有明海を復活させつつある。

活動拠点の拡大と定着を支える各地区のEMインストラクター
諫早市地区の環境浄化活動中の各ボランティア団代表の皆さん
(全員がEMインストラクター)
EMインストラクター養成等に取組む地方行政

 EM活用による環境浄化活動を支えているのがEMインストラクターたち(有明海周辺地区で250名)である。
 インストラクターは、<EMを正しく教えられる指導者を養成する>という目的で"じゃぶじゃぶ作戦"開始とともに推進されており、養成講座(50名単位)の受講者にインストラクターとしての認定証とカードが授与されている。

 初年度は、ボランティア団体主宰で諫早市、大牟田市、天草町で実施されたが、平成14年度には、柳川市(福岡県)、鹿島市(佐賀県)の両市が行政主体の養成講座を開くとともに、EM拠点づくり(百倍利器、1トンタンク設置)と市民参加支援を進めている。平成15年度には、更に、大和町(福岡県)や小長井町、瑞穂町、国見町(長崎県)等の有明海に面する多くの市町村がインストラクター養成と浄化作戦への参加を決定しており、今後も長崎、佐賀、福岡、熊本各県の全域に拡大する勢いである。

期待される全国への波及効果

 こうした市民ボランティア団体、漁民、行政機間の協力による浄化活動は、各家庭でのEM活用の普及とともに河川・内海の浄化と養殖海苔の収量・品質向上に着実な成果を上げている。また、その様子は、平成14年8月開催の「水と海の環境会議(柳川市)」や平成15年1月開催の「活力自治体フェア(幕張メッセ)」の報告会で大きな反響を呼んでおり、瀬戸内海浄化作戦とともに、"広域河川・内海の浄化モデル"として日本全国への波及効果が期待されている。





活力自治体フェア 〜EM・EXPO 2003〜 今年も開催

 昨年大盛況のうちに幕を閉じた「EM・EXPO 2003」が今年も開催された。1月29日から31日までの3日間、千葉市の幕張メッセにて行なわれたこのフェアは、パネルやプレゼンテーションを中心としたブース展示と、国際会議場(約800席)でのシンポジウムが大きな柱となっており、出展している他の自治体・団体・企業の中でも特に注目をあびていた。

 29日の比嘉教授の講演会では、池本よ志子氏との受け答え形式で、EMの全国的活動を分かりやすく紹介するシンポジウムがなされ、30日の発表ではケーススタディ分析として5つのプロジェクトを紹介。主に"生ごみリサイクル"に関して、また"海に面する地域の環境浄化と産業育成"の2つをU-ネットが担当した。

活力自治体フェア  "生ゴミを資源に変えよ、そしてまちに大きな変化を呼び込め"プロジェクトではU-ネット東京都リーダーの会田節子氏がコーディネーターを務め、企業、市民団体、自治体での取組みが紹介された。生ゴミの堆肥化を農業につなげた大規模な取組みを行なっている(株)K&K社長石川文雄氏(U-ネット運営委員)の発表では、まさに"資源循環"実現のためのシステム紹介とともに(U-ネット通信Vol.18参照)、札幌市内の「札幌グランドホテル」が、企業として環境に配慮しつつなおかつサービス業としてどう関っていくか、という客観的視点での発言がなされた。

NPO緑の会理事長、恒川敏江氏(U-ネット茨城県リーダー)の発表からは、NPOの市民団体における知恵と努力(同Vol.16参照)が自治体を大きく動かしていく様子が見て取れ、茨城県取手市長、また、もう一つの事例発表をされた岡山県船穂町町長ともに、行政がどう取り組んでいけばよいか、そして市民との関りへの思いについての誠実な発言があったことから、なんとか行政を動かしたいと考えている市民団体にとっては心強く感じたのではと思われる。

 "まちの環境浄化と産業育成・いますぐ新しいパラダイムを創りだせ"プロジェクトでは、今話題になっている瀬戸内海、有明海の事例が発表された。NPO広島EM普及協会事務局長の村瀬道幸氏をコーディネーターに、広島の兼田水産 兼田功氏、福岡の甦る有明海ネットワーク(同Vol.17参照) 山下寛治氏(ともにU-ネット会員)などが発表を行なった。

3つの事例は共通して産業が活発化していることを強くアピールしており、EMによる環境浄化によって、地域の方々の命の綱ともいえる海産物が復活していることは、水の汚染について世界中の人々が頭を悩ませている中、非常に大きな事件といえるのではないだろうか。実践をしている現場の方々の声だけに、説得力があり熱も入る。 やはり結果が現れていることが、このネットワークの急激な広がりにつながっているのだろう。瀬戸内海での活動が有明海での活動のきっかけとなっていたことや、海が一続きになっていることを実感させる事例もあり、"つながり"というのはひとつのキーポイントとなりそうだ。

 ブース内においては、パネルのみではなくたくさんの展示物が目をひき、プレゼンテーションコーナーでは、初心者向けの実践・紹介から多分野におけるEM使用の事例が報告された。常に盛況であったため、まわりの出展団体が「気になったのでつい見にきてしまった」と顔を出す場面も。

 EM関連団体が一つにまとまり開催された今回のフェア。この機会を十分に生かしたさらなる結びつきが、ますますひろがることを期待してやまない。





古都における環境浄化活動

 古都京都でのEMによる環境改善活動として、二条城の池や堀、丹後地域(大宮町、久美浜町、宮津市、網野町、峰山町、岩滝町)での河川湖沼の水質浄化を含めた多様な活動と、三千院の南を流れる高野川の支流である呂川の水質改善活動が行われている。

 丹後地域の活動は、京都EM Love、EM研究機構、NPO法人関西EM普及協会、EMボカシネットワーク京都支部等の支援組織と各町の関係者によって進められており、京都新聞にも大きく取り上げられた。

 京都市内の活動はU-ネット京都府リーダーで京都EM Loveの世話人である吉彌信子さんと、京都EM Loveの仲間を中心として進められている。

 二条城での取組は、堰岩や池底に敷き詰められた那智黒石の表面に付着した原水中の成分による赤茶色の鉄分の除去と、堀に発生する藻の対策を目的とし、樹木医の水本さんの協力を得ながら平成10年12月から始められた。浄化活動としては200リットルの活性液の2.5倍希釈液を月に2回、清流園の池(約100立方メートルの貯水量で流量約400立方メートル/日)に散布し、池の源流部には50倍に希釈した活性液を点滴供給(約12リットル/日)している。またその周辺には、EMセラミック9袋とEM処理した断熱材やスポンジが住処として用意されている。

開始した翌年には外堀の臭いが激減し、平成12年には内堀の藻の発生が激減してきた。指で強く擦っても消えない赤茶色の付着鉄分の除去効果発生までには時間がかかり、平成14年11月ころにやっと効果が見え始めたが、それからわずか3ヶ月経過した取材時には水に触れていない部分を除き、殆どの鉄分が消滅していた。

 三千院近くの呂川は今年から里作り協会と共に浄化活動が開始され、興味を示した中学生達も参加するようになってきた。この活動に先立ち、昨年の9月から近くの京都バスのバスプールのトイレ浄化を目的として4リットルの活性液の20倍希釈液を週に2回投入し、4ヶ月後には悪臭も殆どなくなったとの説明を受けた。


 一方奈良ではU-ネット奈良県リーダーの後藤さんを中心に、城野さん、大塚さん達と一緒に、EMボカシ・米のとぎ汁EM発酵液の作り方や生ごみ処理を中心とした講習会が毎年5回程度行われ、法隆寺の近くにあるいかるがホールの親水池の浄化やEMを活用した野菜作り等の実践活動と支援が行われている。 フォーラム会場内
フォーラム会場内
 大和川を浄化したいとの大きな夢もあるが、規制や手続等の関係があり、推進するためにはクリアする課題が残っている。

 2月16日にはU-ネット奈良とEMボカシネットワークの共催により"環境フォーラムin奈良"がいかるがホールで開催され、後藤さんによる米のとぎ汁EM発酵液の作り方、戸田英之氏(NPO法人関西EM普及協会事務所長)によるEMの解説から事例紹介を含んだ「EM自然農法のすすめ」、比嘉節子さんによる事例紹介と体験談からなる「福祉とEM」の講演が行われた。

また最後には「奪われし未来から甦る未来」のタイトルで、ダイオキシンや環境ホルモン対策に絡んだエントロピー理論世界からシントロピー運動への転換や、最新事例等の紹介を含めた比嘉教授による講演が行なわれた。当日は小雨そぼ降る寒い日にも関わらず726名収容の会場はほぼ満員の状態であり、会場の外に用意されたEM製品の直売店も盛況であった。
 京都、奈良の環境が改善され悠久の癒しの古都となる日を目指す活動に、心から合掌。



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