EM発祥の地・沖縄本島に広がる河川浄化の動き(現地リポート)
〜期待される産・官・学・民の協働と実践活動の継続〜
U-ネット沖縄支部が事務局を開設
 EM発祥の地沖縄では、具志川市、座間味村など多くの市町村がEM活用による町おこしや環境改善を進めているが、U-ネット活動も平成14年7月に沖縄支部(新垣安教支部長)の事務局を開設し、河川の浄化や生ごみのリサイクルに取り組む各種団体への支援活動を開始している。同事務局では、「インストラクター養成やEM資材手配の支援を積極的に進める」としている。

大里村では「のは川流域の浄化」を開始
 本島南部の大里村(人口12000)を流れる小河川・のは川は、生活排水と養豚し尿による汚染と悪臭に悩んでいたが、平成15年2月からU-ネット、EM研究機構、村役場(環境保全課)、住民の協働による改善作業に着手している。2月に各地区でのEM講習会を実施し、3月からは3地区の公民館にEM拡大活性液タンクを設置して各家庭での米のとぎ汁発酵液作りと排水溝へのEM投入を開始した。更に、域内養豚農家では豚舎でのEM活用テストも平行して実施している。こうした改善活動には農村研究会、婦人会、JA婦人部、村議会議員(養豚農家など)も参加しており、更なる拡大と定着化が期待されている。

浦添市の牧港川(2級河川)浄化作戦
 琉球王朝発祥の地として知られている浦添市(人口104700)では、平成14年8月から市内を流れる2級河川・牧港川のEM活用による浄化作戦を展開している。
 同活動は、浦添市のまちづくりグランプリ賞に応募した同市立当山小学校(伊禮厚子校長)5年生の「牧港川の浄化:カニやメダカのいる、そして水のきれいな川にしよう!」の活動を契機にEM活用が始まり、てだこ市民会議・環境部会(上里孝三部長)が子供たちの活動を支援する形で拡大している。既にEM活性液講習会(延べ8回、169人)と児童や市民による月2回のEM活性液散布(延べ13回、4170リットル)などを実施しており(3月末現在)、こうした市民レベルの活動には浦添市役所(環境保全課)も注目している。
 今後は更に、産・学・官・民による協力体制の確立と上流域(西原町)への浄化活動拡大、各家庭での米のとぎ汁EM発酵液活用の浸透などが期待されている。
 また、牧港川の浄化作戦の刺激を受け、隣接する小湾川(2級河川)でも本年2月から同てだこ市民会議メンバーによる浄化活動(毎週日曜日に100リットルのEM活性液散布)を開始している。

元気なシニアの活動をU-ネット沖縄支部が支援へ
 具志川市みどり町5・6丁目自治会(金城アサ子会長、541世帯)では、平成12年1月からEMによる生ごみリサイクルと菜園作り、EM活性液・EMダンゴによる排水溝の浄化、EMによる廃油石鹸作りなどの地道な活動を続けている。この活動には定年退職した元先生や会社員が15人も参加しており、地域住民から注目されている。U-ネット沖縄支部では「シニア世代による地域貢献活動を積極的に支援する」としており、活動の更なる発展が期待されている。

池の浄化活動に大型車輛を有効活用
 「沖縄子供の国」では、平成13年8月から沖縄市EM実践研究会(座間味唯康事務局長)による池の浄化活動を進めている。浄化作業は月2回実施されているが、この作業では沖縄浄管センターの大型車輛(写真参照)による効率的なEM活性液散布を実現している。こうした大型車輛の活用事例としては他に座間味村での消防車による飲料用貯水ダムの浄化活動がある。業務用車輛の有効活用は、本来業務の常備貯水や錆発生防止策にも役だっており、車輛の管理運用面からも好評を得ている。

写真は沖縄子供の国・池の浄化に有効活用中の高圧洗浄車
写真は沖縄子供の国・池の浄化に有効活用中の
高圧洗浄車
(日本各地での同様な有効活用が期待される)


戸田EMピープルネットの活動が軌道に乗る
〜河川の浄化から生ゴミ堆肥化へ 活動の輪が大きく広がる〜
 戸田市は南に荒川と大学対抗レガッタで有名な戸田漕艇場を持ち、JR埼京線での通勤が便利で近年サラリーマンの人口が増えている、人口11万の市である。
 中名生(なかなお)隆市会議員は、以前から三重県四日市の藤原市会議員と知り合いで、EMによる浄化で有名な阿瀬知川(最新情報2003年5月10日参照)の現地視察などでEMの情報をもらい、戸田市職員の現地視察やEM技術の受講をさせるなどの活動をしてきた。

 一昨年、有志で大宮バイパスの側溝の浄化に着手し、一年後、ウシガエルのオタマジャクシが大量に発生して戸田市長も視察。去年の暮れには白鷺も現れて、生物、植物も多様化し、ヘドロも無い。毎日新聞、テレビ埼玉の取材もあり、市主催の環境フェア参加でも好評を受けた。また、冬には福島の四倉川(U-net通信Vol.11参照)も視察した。
 昨年、市民ボランティア団体・戸田EMピープルネット(会長:萩原信蔵氏を含め21名)を立ち上げ、今年は8月にNPOの取得を目指して準備中との事。

 戸田EMピープルネットでは、市の清掃事業の遊休地と設備を借り、当初20所帯の生ゴミ堆肥化をスタートさせる計画である。企業から98万円の助成があったので、「ミキサーを買って、ボカシ作りから始める」と池上幸子総務部長は張り切っている。

荒川左岸放水路でEMを投入する戸田EMピープルネットと近隣の皆さん
荒川左岸放水路でEMを投入する戸田EMピープルネットと近隣の皆さん

 一方市ではボランティアや地域モデル事業などに対する支援・援助体制が出来てきており、生ゴミ処理容器の助成も市がやる事になった。生ゴミ堆肥化のボランティア団体への委託制度もできる予定との事である。
さらに河川浄化には180万円の予算が計上され、市長からの要望もあって、許可を得て県の下水処理場に2個のEM1tタンクを設置、荒川左岸排水路の浄化も始めた。
 また環境教育においては、夏に戸田市教育委員会主催で、小学校でのEM講座を開催。生徒が戸田EMピープルネットの活動を見学し、その後研究発表をするなど、埼玉県も注目しているという。その後はEMピープルネットに総合学習の時間への講師依頼があり、河川浄化、学校菜園を講義。現地視察の依頼もあり、生徒の発表会も予定されている。

 この戸田市の様な都市部で、行政がボランティアを信頼し、市民に出来る事はどんどん任せて支援する、という進歩的施策が短期間に出来てきた事にはおおいに感動させられる。この様な例はある意味でモデルケースであろう。もちろん、中名生議員、EMピープルネットの皆さんの情熱や行動力が、市長や市の職員へのEM理解に大きく働いたことは疑いないと思う。埼玉県も注目しているはずである。ぜひとも成功していただきたい。



ヘドロ対策から環境学習と環境浄化活動の拡大へ
 三重県四日市市では平成11年2月から、ボランティア団体により市内4河川の浄化が開始されたが、間もなく最も汚れていた阿瀬知川に絞って浄化されることとなった。この川の四日市駅より上流部は公共下水道もなく生活排水が流れ込み、夏は下流部に堆積したヘドロによる悪臭に悩まされ、3年に1回、3,000万円をかけて浚渫除去されていた。平成12年6月に活動の理解と認知を得るため行政を訪ねたが当初は理解を得ることが出来なかった。

橋の上から米のとぎ汁EM発酵液を投入
橋の上から米のとぎ汁EM発酵液を投入
 しかし(株)EM研究機構の支援と、浚渫が必要な時期にきていた事もあり、9月からEMによる浄化活動を開始できるようになった。当初、米のとぎ汁EM発酵液等の投入量は200リットル/月と想定していたが、自治会等の協力もあって家庭から持ち寄った量は1.0t/月へ。流域6ヶ所から投入され、併せてEM有機団子(蘇生利器で製造された団子)も投入された。10月にはEMによる浄化活動についての告知看板も5ヶ所立てられて、翌年4月までに発酵液約11t、有機団子560kgが投入された。


 投入開始2ヶ月後には川底に藻が発生し、3ヶ月後には今まで見えなかった約40年前に撤去された木橋の橋桁や、投棄されていた空缶等が露出するほどヘドロが消えた。また阿瀬知川に流れ込む海のほうも綺麗になり悪臭もなくなってきた。このような状況から行政に支援を求めたが、『偶然』との判断で支援を得られずやむなく一時中断。ところが汚染が元の状態に戻るようになったことから効果の認識が現れ始め再び活動を開始した。

 一年後(平成13年9月)にはヘドロが大幅に減り、魚や鳥も見られるようになってきた。この劇的な効果が認められ、今回の取材に快く応じていただいた小川敦司さんを理事長に、行政との連携を取る総合窓口として『NPO法人イーエム市民広場』が立ち上がった。この間自治会の協力によるEM活性液点滴投入タンクの設置や酒造会社等の協力など、大量の活性液等の提供もなされた。最近では鯉の産卵もあり稚鯉の遊泳する姿や水鳥も増えて来たが、取材時には残念ながら鵜のためか幼魚の姿を見ることが出来なかった。

 このような成果と、活力の塊のような小川さん、浦田さん等『イーエム市民広場』により、浜田・塩浜・海蔵小学校、大谷台・山手中学校において2年前から総合学習の一環として環境学習が取り組まれている。内容は米のとぎ汁EM発酵液の作り方等EMの活用による環境浄化や、土壌の改良等についての説明と実技指導で、月に2回。事例としてはプールに米のとぎ汁EM発酵液(50〜70リットル)と落葉を入れ、EMの効果で時間の経過とともにプール内が変化していく様子や、放しためだかの生育状況の観察、また掃除も楽にきれいに出来るという体験など。その他校舎の周りの空地を耕して畑をつくり、生ごみボカシ等でみごとな西瓜や野菜を作って本物の味を体験するなど、さまざまな環境教育が川の浄化と併せて行われている。

 昨年の10月からはPTAや地元自治会を加えて、四日市市内を流れる堀川の浄化も開始され、魚が泳ぎ、鳥が集まり、ホタルが舞う綺麗な川になることが期待されている。
 なお、最近では米のとぎ汁EM発酵液作りに積極的な協力を得ていることもあり、有志によるEM米での酒作りを手伝い、その成果を舌と喉で確認する会も度々催されているとのことであった。
 また、100年前のみすぼらしくなって使用されていなかった蔵の建築部材や昔使用されていた樽に活性液を吹き付け、樽の板は壁材としてリサイクルされ、すばらしい建物に生まれ変わっていた。これは古い日本の家屋を甦えらせる新しいEMの活用事例であると感嘆した。


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