胎動するEM技術活用による神奈川県の環境改善活動・現地リポート
〜逗子市ではEM技術活用による逗子海岸の悪臭除去対策実験に取組み中〜 
EM技術が海草埋立地の悪臭除去対策実験に成果を発揮
逗子市が積極的に実験を推進
 逗子市では、台風などで打ち上げられた海草による海岸の悪臭と汚染に悩まされていたが、U-ネット神奈川の協力により平成15年4月から「海草埋立地点の悪臭除去対策の実験」を実施し、11月の最終報告で悪臭除去、海草類の分解、大腸菌群の削減等に成果があったとして平成16年度には実験規模を約十倍に拡大する。(逗子市経済観光課)

 平成15年度の実験では、逗子海岸の排水堤防付近約360m2の海草埋立地点(二箇所)を掘り起こしてEM活性液を投入する方法が採用された。活性液は海水浴シーズン前の4月〜6月に5回、シーズン終了後の11月初旬に1回(計6回で8t)が投入されている。また、投入前には臭気度測定、砂色目視検査、海草類分解目視検査、大腸菌群測定、pH測定を実施して経過観察を行っている。逗子市の成果次第では隣接市町を含めた湘南海岸一帯への広がりが期待されるだけに市民やマスコミからも注目されており、7月にはNHKや朝日新聞が実験の様子と途中経過を報道し、10月の第二回瀬戸内海環境会議では逗子市役所による経過報告が大きな反響を呼んでいる。(資料はU-ネット事務局保管)

二宮町では河川の浄化にEMを活用
 葛川をきれいにする会(神奈川県中郡二宮町向後孝明代表、会員58名)では、町の中心部を流れる<葛川>をきれいにする作業を進め、「町民の川をきれいにするという意識の高揚と自然環境の復元と水質保全を図る」(同憲章)という活動を展開している。平成13年10月の同会発足から述べ38回にも及ぶ葛川の清掃作業を継続し、住民や近隣市町村から注目されている。
地域活動が注目されている
「葛川をきれいにする会」
向後代長(前列中央)
田中副代表(左端)

また、平成14年には清掃作業中の悪臭を除去するためEM活性液を投入して成果を上げ、平成15年4月からは、水質浄化部会(中村隆一部会長)を中心に、百倍利器(EM活性液培養機)や1tタンク2基を活用した葛川へのEM活性液の大量投入を始めている。また、神奈川県環境科学センターに依頼して水質測定(COD)と綿密な底生生物調査を進め、調査結果はインターネットで一般市民にも公開している。清掃作業開始以前のデーターが不足しているため同会の活動による成果と直接結びつける事は困難なものの、カワニナ、サカ巻貝、ゲンジボタル幼虫などが発見され同会の活動を盛り上げている。
(同会の活動詳細はホームページURL http://www.ofwa.org/kuzukawa/ 参照)。

二宮町の生ごみリサイクル活動
 有機の会(二宮町鳥居代表、会員39名)では、平成13年5月の同会発足以来EMボカシづくりを続け、家庭生ごみをEM発酵堆肥にした家庭菜園づくりを楽しんでいる。この活動は、二宮町が進めている生ごみ減量化運動にU-ネット神奈川(長谷川芳男リーダー)が協力してEMボカシ作りの指導を開始したもので、現在は5班の輪番制で毎月EMボカシをつくり会員各家庭で利用しているほか、葛川をきれいにする会のEM活性液とともに「町の福祉センター」や「老人いこいの家」で一般町民向けにも販売して喜ばれている。

益々広がりを見せるEM技術活用と支援体制の強化
 U-ネット神奈川では、平塚カントリークラブでの池と排水構の浄化(平成13年3月スタート)、横浜市山田富士公園での池の浄化(平成14年6月スタート)、藤沢市高級料亭・車家での池と排水構の浄化(平成15年6月スタート)をはじめ県内各地でEM技術を活用した海岸・河川・湖沼・池等の浄化やEM農法が同時多発的に発生しつつある。
 こうした動きを更に確実にするため、今後はEM関連機構の相互協力とU-ネット技術委員会による支援体制強化が期待されている。


沖館川EMじゃぶじゃぶ大作戦
流域の4つの中学校が手をつないだ
 青森県環境政策課の河川汚濁調査によるワースト3に毎年名を連ねてきた「沖館川」と、その支流の「西滝川」の流域の4つの中学校が連携して、自分たちの川を自分たちの手できれいにしようと立ち上がりました。
 「『以前はこの川は汚かったんだよ。でも、今はきれいでしょ。私たちがきれいにしたんだよ』、と言いたくないか。その手段はあるんだよ」と各中学校の全校朝会で訴えたら、生徒会幹部の連中に火が点りました。

 この地区にはEM浄化では先輩格の青森西中学校があります。この西中学校の新生徒会幹部たちが、流域の他の3つの中学校の生徒会幹部を誘い、合同でのEM勉強会を開き、実践運動にと発展していったのです。
 生徒たちの意気込みに生徒会担当の教師が動かされ、その熱意が校長先生たちをも動かして、生徒会主導による4校連携の地域の河川浄化運動という形となったのでした。
 魚影の見えなかった川面に数百匹のボラの大群が見えるようになり、なんと、数キロ上流に鮭が遡上して新聞紙上を賑わすなど、早くも顕著な効果が現れております。
 一過性の活動ではなく、自分たちの中学校に新しい伝統を築くのだ。その第一歩を記すのが自分たちなのだと、大地に足を踏まえた取り組みです。

 昔きれいであった河川や海をここまで汚してしまったのは、紛れもなく私たち大人の世代なのです。「君たち、感心だねえ」などとは口が裂けても言える立場ではないのです。 小学生や中学生のこのような純粋な行動に対して、私たち大人は「罪滅ぼしとして、贖罪として」、せめて、米のとぎ汁EM発酵液を作るためのEM1号と糖蜜だけでも続けようと、ささやかながら応援させてもらっているところです。


「三内中」「古川中」「沖館中」「西中」4校合同の浄化作業


〜EMの町、船引へ! 現在活き活きと進行中〜
 福島県田村郡船引町では、商工会女性部を中心とした町まるごとのEM化へ、町民一体となった活発な活動が繰り広げられている。EM販売店は町に32店。これらはごく普通の商店街にならぶ靴屋、洋品店、電気屋・・・といったお店だが、EM資材などを売るスペースが設けられている。EMを買いに来るお客さんがその店の商品を買ったり、逆に商品を買いに来たお客さんがEMに触れる機会となったり、と町の活性化が図られている。異業種のお店の方々自身がEMの説明までしてしまうのだから驚きだ。

 手作り弁当・中華料理店の「慶慶飯店」では店から出る米のとぎ汁を外においておき、米のとぎ汁EM発酵液(この地域では「エコ清流」と命名)用に自由に持って帰ってもらえるようにしている。さらに、配達の際にはお客さんにEMの説明とともに「エコ清流」を配り、店内の食器や調理器具の洗い物にも使用。外にある生ゴミも臭いがなくなった。近所の川に流れる排水には魚が群がり、石垣の部分は周りの藻が生えているところよりもきれいになっている。

 自然水系の浄化活動も活発だ。大滝根川にはEM砂ボカシを抱きかかえこむような形状のエコブロックを設置し、水の微妙な流れを生かした構造でEM浄化を工夫している。このブロックは町内のコンクリート会社(桑原コンクリート)にて開発をした。取材の案内をしてくださった商工会女性部担当の星さんは「EMに取組む一番最初の、啓発の意味につながる作業だった」と感慨深げ。また、堀越地区の水辺の公園では、上流の70軒中7軒のお宅からEMを流してもらうようお願いしているとのことだったが、びっしりと岩場についていたという藻はきれいにとれ、砂地もしっかりと見えていた。

 これだけの広がりを見せていることを考えるとかなり長い期間、地道な努力がされていたのかと思うのだが、なんと驚いたことにEMに取り組みはじめたのは一昨年の6月から。わずか1年半という短期間でここまで広がったのには、商工会で取り入れられたという点が大きな理由と考えられる。まず信頼性があるということ。船引中学校の三浦校長も「商工会の勧めなら」と校内プールの掃除にEMを採用。プール使用期にはEMのすみかを敷設し、塩素による目のしょぼしょぼした感覚がなくなったとの生徒さんの意見もあった。

 女性部部長の井出さんは「EMのデメリットを考えたが思いつかなかった。EMの話をするときは皆笑顔で楽しい気持ちになります。」とにこやか。町長への報告にはまめに足を運び、予算の件については触れたことがなかったものの、来年度の町の予算に町内の小・中学校すべてのプール・トイレ掃除にEMを取り入れることや、EM講習会の実施など、EMを組み込んだ町長との関係は非常に良好のようだ。町の広報にはEMのコーナーも予定されている。
EM噴霧により消臭。
マシコリサイクルセンター増子社長。

 皆さんが口々に話すのは「人に恵まれた」という言葉。EMを良き媒体として、町を活気づけていきたいという商工会の想いやつながり、そして人柄が、EMの輪を強く広げていく原動力となっているのだろう。商工会の事務局長、宗像氏も「自宅でも常に使っている」と工夫の数々を披露してくださった。商工会という組織がEMを取り入れることによって、地域内での「善循環」にぴたりとはまったようだ。

 9月27日には良笑夢(イーエム)タウンとしてイベントを行い、町を越えた地域のお祭りとなった。「マシコリサイクルセンター」では選別分別所にEMを霧状に散布し、臭いがなくなるなど大きな効果も見られており、多分野での使用も期待できる。これから船引町が「良笑夢(イーエム)タウン」として視察に追われる日も近いと思われる。


EM環境学習モデル校、葉鹿(はじか)小学校 足利市教育実践特別賞 受賞
 10/17(金)、栃木県足利市立葉鹿小学校にて「公開研究発表会」とともに「研究PTA実践発表会」が開かれた。葉鹿小学校は今年の春、京都で開催された世界水フォーラムでも発表をし、EMを取り入れた環境学習においては非常にモデルとなる活動を行っている。
5年生によるEMボカシづくり

 当日は生徒たちの学習の様子の見学と、足利市長からの表彰及びPTAによる実践発表が行われ、教育関係の参加者も280名と多かった。メイン会場の体育館の入り口では、生徒たちが作ったEM石けんと非木材パルプを使用した紙すきはがきが手渡され、ほほえましい幕開け。見学の流れは同時並行で、EMボカシづくりやEM石けん作りなどが各教室にて行われていた。先生のみが一方的に指導するのではなく、経験のある生徒が教えるという場面が多く、自発的な行動が自然と身についているようだ。教える側の生徒の中心となる「エコクラブ」は19名の生徒で構成されており、週2回の活動で、2週間に1回、彦谷川に100リットルのEMを投入したり親子環境学習会を月に1〜2回行っている。また、「生ごみゼロの日」を決め、家庭の生ごみを学校に持参してEMボカシで処理をする運動も行い、生ごみ堆肥で花の苗を育てて家庭に持ち帰るなど、EMを活用した環境問題を解決する実践テーマを、いろいろな切り口から家庭に発信する役目を果たしているようだ。廊下流し場の手を洗う石けんは自分達で作ったEM石けんを使用し、廊下には自分達で作成した自然観察やEMのまとめがずらり。また、体育館にも大きく展示されているパネルや実演コーナーの殆どはEM活用事例だった。保護者の方の協力も非常に積極的で、生徒、教師、保護者の一人一人がはっきりとした意識で環境問題や教育に取り組んでいるという印象を受けた。

 「研究PTA実践発表会」とともに行われた「足利市教育実践特別賞」の表彰時には「教育者の側から子どもの教育を考えたとき、環境問題を取り上げるのは必然的なもの」の言葉もあり、子ども達のしっかりとした受け答えや態度にも、これからの未来への希望を感じた。


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