「かごしま 川・海・EMクリーン作戦」が本格スタート
〜錦江湾に流れ込む川の支流でEM団子・活性液を一斉投入〜
 九州南部地域(鹿児島県、宮崎県南部)は、日本男児の鏡・薩摩隼人の発祥の地として名高いが、ボランティアによる環境改善では、有明海浄化で大きな成果をあげている九州西部地区に比べ出遅れていた。こうした中、山下浩U-ネット運営委員(九州南部地区担当)を中心に、平成16年度から錦江湾の浄化を目標とした「かごしま 川・海・EMクリーン作戦」を進め、平成18年4月1日からは、各地でEM団子、活性液を一斉に投入するなど、浄化活動を本格化している。同地区における活動を現地リポートでお届けする。  

二千五百通の情報誌を発送し、年百回を超えるEM講習会を開催
 九州南部地域では、U-ネットメンバーが、市民・行政・企業に対する徹底したEM情報の提供と講習会の開催を続け、環境、飲食品、健康などにかかわる問題の提起とEM活用による改善を訴え続けている。

年4回の情報誌と50回超の講習会
 鹿児島市に拠点を置く前出の山下浩さんは、情報誌「EM菌菌(近々)四方山話」を3ヶ月に一度発行して西部、北部、奄美諸島を中心に1500部を配布するとともに同地区内を毎日のように巡回し各種の相談に応じている。
 一方、同氏のEMショップ「EM自然の里」では、隔月毎に無料のEM講習会を開催している。また要請があれば何時でも何処へでも出前の講習会を実施しており、年間延べ50回以上も開催している(同氏談)という。こうした、日常活動をベースに、50人近い団体を引率し、沖縄のEMフェスタ参加やEMウェルネスセンター宿泊などを実行して参加者から喜ばれている。同地区のU-ネット会員は平成18年3月現在で35名にのぼり、今年10月には「善循環の輪 鹿児島の集い」も予定している。

毎月1回情報誌を配布し、例会・講習会を頻繁に開催
 鹿屋市に拠点を置く嶋田真規子さん(U-ネット委員)は、自前の情報誌「EMメール便」と「EMおねえさの ひとりごと」を毎月発行して鹿児島県東部地区を中心に1,000部を配布している。また、嶋田さんのショップ「EM普及情報センター」では月2回「EMメイト月例会」を開催しEM新情報の提供や講習会を実施している。

期待される参加者の拡大と継続的な支援
 EMクリーン作戦は、平成16年の山下さんによる次のような呼びかけから始まり、嶋田さんとの地道な活動の積み重ねにより、平成18年4月1日をキックオフデーとして、EM団子・活性液の一斉投入開始など、同地区の市町村各所で本格的な活動が開始された。
 2年間にわたる地道な活動の積み重ねがあるだけに、浄化活動の本格化により川・海の浄化が期待されているが、EMグループによる技術支援の継続をはじめ、関係する市民、漁民、行政、企業や各種団体による積極的な参加と、継続的な支援が強く望まれる。
『私たちが先祖から受け継いで来た ふるさと鹿児島の 川や海の汚染が進んでいます 私がNPOの仕事に携わり 全国のボランティアとお会いするたびに その活躍は驚くばかりです 九州だけでも、福岡、長崎、佐賀、熊本で有明EMジャブジャブ作戦が行われ多大な実績をあげています 私たちも 今、全員が一つになって この鹿児島をきれいにしようじゃありませんか 是非、皆様方の参加をお願いします また、多くの皆様へこの計画を お伝えください』

蒲生町では「川をきれいにする作戦」を展開中
 鹿児島県のほぼ中央部に位置する蒲生町(晋哲哉町長、人口7,500)は、国指定天然記念物・日本一の大クスが生息するなど自然環境に恵まれた地域である。しかしながら、同町内から錦江湾に流れる後郷川と前郷川の二つの河川は、生活排水などのため汚染が進んでいた。この川をなんとか昔の川に蘇らせようと、住民と行政の協働によるEM技術を活用した活動「川をきれいにする作戦!」が展開されている。活動の主体は、蒲生町あやめ学級、かもう女性の会、15地区の公民館(環境衛生協会)が中心となっており、行政が全面的にこの活動を支援している。平成15年には、町が2百リットルのEM培養装置を導入し、平成17年にも更に3百リットルの培養装置2基を増設している。
蒲生町河川浄化グループ推進の皆さん
蒲生町河川浄化グループ推進の皆さん


EMぼかし団子づくり講習会の開催
 同町では、川の汚れを防ぐため、合併浄化槽の設置促進、油・洗剤使用抑制の呼びかけ、生ごみ密封発酵容器購入補助等を進めている。一方、前出の住民団体は、16年8月からEM団子づくりと河川への投入を開始し、平成17年には、U-ネット山下浩運営委員を招いて「EM団子づくり講習会」を開催し、先進地の活動状況を学習しながら、EM団子づくりと河川への投入やEM培養液の学校プール投入などを通して、住民への普及活動に取り組んでいる。

河川浄化活動を企業も支援
 こうした官民協働の取り組みには、同町出身の経済人たちも強い関心を示している。自らライオンズ活動の一環として、鹿児島湾・河川をきれいにする取り組みをしている企業家から寄付金(100万円)が出されるなど大きな盛り上がりをみせている。(町広報 かもう)



「EM活動は生活の一部」茨城県石岡市・石岡緑の会
地道な活動の積み重ね
 茨城県のほぼ中央、西に筑波山、東に霞ケ浦を望む台地上に位置する石岡市。U-ネット会員で石岡市議会議員の鈴木せつ子さんは、平成7年にEMに出会い、平成9年に4人で石岡緑の会を発足(現在の会員数29名)、米のとぎ汁EM発酵液・EM活性液・EMボカシを使っての生ゴミ肥料の作り方及び使い方の普及活動に精力的に取り組んできた。自然豊かな農村地帯。しかし環境汚染は進んでいた。以前は防火用水の水槽として使われていた池に10戸ほどの家庭から雑排水が流れ込んでいた。入浴剤入りの風呂水の排水や洗濯に使われた合成洗剤が多量に流れ込み、泡が立ち、アオコが一面を覆って悪臭を放つ。生きものといえばザリガニくらいで、とても魚が住めるような環境ではない。平成9年3月、米のとぎ汁EM発酵液を3日に1度、6リットルずつ投入、毎日観察をした。2週間を過ぎた頃から変化があらわれ、1ヵ月後にはアオコが消え、悪臭もなくなった。6月に放流した6匹の金魚が、11月には繁殖して集団で泳いでいるのを確認。この実績により、活動に賛同する人が集るようになり、人と人の出会い、活動の幅が広がった。

池の浄化で県の知事賞受賞
 市の中心街から1.5kmほど離れたところにある東の辻池の浄化では、『東の辻の水源の水質改善にはまず、家庭から』と、町内の約50家庭全部にEM菌を配り、地域ぐるみで浄化活動に取り組んだ。1ヵ月ほどで町内会員一同がびっくりするほど悪臭がなくなり、多くの家庭が、米のとぎ汁EM発酵液を活用するようになった。この町内は長年の環境美化運動で茨城県主催の花とみどりの環境美化コンクールでは、茨城県知事賞に輝いた(現在は地域住民とNPO緑の会で浄化に取り組んでいる)。
 JR石岡駅前人工池・柏原公園釣堀・柏原公園本池・市内小中学校プール・石岡のおまつりでの仮設トイレのEM活性液散布・鷺ねぐら消臭大作戦と活躍の場を広げてきた石岡緑の会。現在は日曜日の朝、柏原公園本池に約170リットルのEM活性液を投入している。柏原公園釣堀は以前は約90〜100リットルを投入していたものが、今は約18リットルに減り、浄化成功で間もなく投入終了予定。
EM活性液の使い方を説明する鈴木せつ子さん(左)大倉みや子さん(中央)
池に来ていた人にEM活性液の使い方を説明する鈴木せつ子さん(左)大倉みや子さん(中央)
 石岡緑の会の現在の会長・大倉みや子さんは「EM活動は生活の一部。私達はEMを池に入れているだけ。頑張っているのはEM菌だから」と謙遜するが、生活に根ざした着実な活動を行ってきた自負が伺える。

授産施設でのEMボカシづくり導入
 また石岡緑の会が協力している視覚障害者更生施設の「光風荘」では、利用者の皆さんが月〜金曜日の午前中のEMボカシづくりで、週に30kgを生産している。その活動が認められ、共同募金会から補助金を受けてEMボカシ乾燥機を購入し、建物も完成させた。「今後は、河川浄化という社会的に意味のある活動に参加する喜びを感じられるよう、EMボカシ団子づくりに挑戦していきたい」と鈴木せつ子さんは熱く抱負を語ってくれた。



神奈川県では EM技術で河川、海岸、ゴルフ場池を浄化
神奈川県では、相模湾沿いの二宮町と茅ヶ崎市を中心に、U-ネットの会員が中心となり広範囲なEM活動を続けている。

NPO湘南フードサイクルが活動拡大
 茅ヶ崎市のNPO湘南フードサイクル(U-ネット委員の藤間豊氏が中心となり2004年に設立、会員14人)は、県内の行政や企業と積極的に取り組みながら地域の環境改善を進めている。また、逗子市から、海岸浄化事業の請負を2003年に始め今年で4年目になる。浄化している部分は海岸のほんの1部に過ぎないが、臭気や大腸菌の抑制効果は顕著である(報告書はU-ネット事務局で保管)。逗子市でも、百倍利器を購入し市民に活性液を無償提供し、海岸に流れ込む河川の浄化へとEMの施用を進めている。

生ごみの地域循環活動を開始
 また同会は、2005年より施行された茅ヶ崎市による「市民活動推進補助制度」を利用し、年間10万円の補助金を受け、生ゴミの地域循環を始めている。市内の小学校から週2回(約70kg/回)生ごみを回収し、EMで堆肥化し、小学校の花壇つくりに使用し、農園で野菜の肥料としてテストを行っている。今年も引き続き補助制度を利用しながら行政との連携を高め、地元の他のNPOとのつながりも強めて、学校と地域の農家を結ぶ生ゴミの地域内での循環の仕組みを作りたいと地道な活動を志している。

ゴルフ場池の浄化にもEM技術を活用
 レイクウッド、平塚富士見カントリーゴルフ場(平塚市、大磯市、二宮町の3市町にまたがる72ホールを持つ神奈川県で一番大きいゴルフ場)の池の臭気とアオコや藻の発生の抑制にEMを使い始めて今年で6年目になる。年間約45トンのEM活性液を投入してきた結果、透視度も良くなり臭気は全く問題がなくなった。
透視度も上がったレイクウッドゴルフ場の池
透視度も上がったレイクウッドゴルフ場の池
しかし、EM投入2年目の池については夏場に藻が発生しその対策としてEM団子を投入した。今年からは活性液の量を増やして、刈り取った芝や剪定残渣などゴルフ場で得られる有機物を活用して有機堆肥を作り芝の肥料にする。ゴルフ場が環境汚染源になるのではなく環境改善の元になるようにという藤間氏の想いと、カントリークラブの管理者の地域環境に対する責任意識の高さが、うまく共鳴している。

2つの河川浄化に取り組む地域の環境を良くする会
 二宮町の「地域の環境を良くする会」(蜂須賀光子代表・会員10人)は、U-ネットの支援(百倍利器と10リットルのEM1号)を受け、二宮町の中心部を流れる葛川に加えて梅沢川の浄化にも成功した。最初に手がけた葛川の浄化は、2002年に始まり、今でも上流と、支流の打越川の秋沢牧場から、夏は合計約700リットル/週、冬は約120リットル/週を投入している。流域からは団地の排水が流れ込むため相変わらずCOD値は高い。しかし、定期的に行っている川の掃除では、臭気に悩まされることもなく、ヘドロに長靴を取られることもなくなっただけでなく、青サギやカワセミに出会う喜びも味わえるようになった。
 梅沢川の浄化は、葛川浄化の実績を踏まえ、2004年5月に着手している。夏場は300リットル/週、冬場は80リットル/週位の活性液を投入している。2005年10月には、河口のヘドロが50cmも減少し、今では川底の砂が見えるだけでなく、砂を掘ってもヘドロは殆どみられないようになった。EM投入前には、波打ち際の臭気を200としたとき、900という強い臭気があったが、今では、海の香りがするだけである。
 2005年には、逗子市や横須賀市の行政が視察に来て、河川の浄化活動の参考になったと喜んでいた。会では、既に行われている河川の清掃に加えて<浄化>でも行政と市民が協働していきたいと、梅沢川の成果を町にアピールすることを、今年の活動目標の一つにしている。
 また、活動を維持し発展させていくために、会員に経済的な負担をかけないこと、二つの川の浄化に必要な費用(約20万円/年、軽トラックの維持費、ガソリン代など)などの活動費用は会で賄うことを目標にしているが、達成はなかなか難しい。打越川沿いの秋沢牧場で牛の健康管理と臭気抑制にEM活性液を以前から利用しているのに加えて、最近では、秦野市の四十八瀬川浄化活動のためや小田原の植木屋に、また二宮町内では、夢ムスビ(米のとぎ汁の処理)、園芸店、町の福祉センターなどにも有償で提供している。行政と協働することと地域の活動を広げてEMの需要を増やすことが、会を維持し発展させ地域の環境浄化につながると考えている。


「橋洗い」の東西交流が生んだ市民による河川の浄化活動
「お江戸日本橋の橋洗い」と「なにわ八百八橋の橋洗い」
なにわっ子の心意気を示す活動!
 大阪の北新地まちづくり実行委員会(河口貴賦会長、U-ネット顧問)では、35年の伝統を持つ東京「日本橋・橋洗い」に習い、平成17年3月から地元「ふるさ都・夢づくり協議会」などとの協力により「なにわ八百八橋・橋洗い」を開始した。平成17年3月の第1回目「水晶橋・橋洗い」に続き、第2回目「中ノ島ガーデンブリッジ・橋洗い」(同年9月)を実施し、今後も市民に親しまれている「歩道専用の橋」を中心に「なにわ八百八橋・橋洗い」を継続する(同会長)という。

 同橋洗いは、『大阪の町人たちが、江戸時代にお上に頼らず、自ら私財を投じてつくった八百八橋』を先人たちの心意気として受け継ぎ、橋を通して川やまちを考え、それらを大切に守り育てることを目標に始められた。また、道頓堀川の浄化で効果を上げているEM技術を積極的に活用し、橋洗いにEM石けんを使用し、橋下の堂島川にはEM団子を投入している。同橋洗い時には、シンポジュウムや地域の子供たちを招待した「水陸両用バス"未知普請号"による川の探検体験」が同時に開催されるなど、大きな盛り上がりを見せている。
「なにわ八百八橋・橋洗い」第1回目の会場水晶橋
「なにわ八百八橋・橋洗い」第1回目の会場水晶橋
 今後更に、伝統的な活動に育てるためには、大阪市民による奉仕活動はもとより、周辺各団体による資金的な支援が不可欠であり、こうした面での継続した活動が期待されている。

大阪湾再生市民サミットで二人が発表
 同橋洗いの経緯については、平成18年2月5日に開催された『大阪湾再生市民サミット』(大阪市漁業協同組合主催)において、前出の河口貴賦氏と東京の名橋「日本橋」保存会永森昭紀事務局長の二人から詳しく報告された。
 永森事務局長は「なにわの橋洗いに招かれ、始めてEM洗剤の存在と効用を知りました。」「橋洗いの洗剤が環境に悪影響を与えないように長年注意を払ってきただけに、日本橋での使用を考え、直ちに河口さんに頼んで東京のU-ネットを紹介して頂いた。」と、当時の様子を報告している。
 その後日本橋では、橋洗いだけでなく、下を流れる日本橋川を本格的に浄化することになり、名橋「日本橋」保存会を中心に、中央区、千代田区の地元町会の市民や企業によるEM技術を活用した日本橋川の浄化活動が展開されている。
 『なにわ市民が江戸の橋洗い方式を学び』、そして『江戸市民がなにわの河川浄化方式を学ぶ』という、まさに市民レベルでの東西文化交流が、まちづくりや環境改善を推し進めている。両活動の今後の発展が期待されている。



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