霞ヶ浦でEM技術活用による水質浄化活動が本格化
 中小河川からEM活性液やEM団子を投入中、更に拡大の動き
  茨城県の南東部に位置する霞ヶ浦は、琵琶湖に次ぐ日本で二番目に大きな湖。西浦、北浦、常陸利根川の三水域からなり、面積220km²、平均水深4mの湖に、大小56の河川が流入している。流域に住む約100万人の生活排水や養豚の影響などで水質悪化が進み、ワカサギの収穫減、原因不明のコイヘルペス病による養殖鯉死滅等の問題が発生している。こうした中、石岡市、かすみがうら市、鉾田市などの流域各地での市民ボランティアによるEM技術を活用した水質浄化活動が活発化している。

日本橋川浄化活動への参加が契機となった霞ヶ浦の水質浄化活動
〜排水溝・池、小河川の浄化活動から霞ヶ浦の水質浄化に発展〜
「霞ヶ浦をきれいにする会」が発足
 霞ヶ浦流域では、平成9年頃から各地で排水溝、池、小河川の水質浄化活動が進められている(U-ネット通信2004年3月号及び2006年4月号参照)。こうした中、霞ヶ浦北端の石岡市で水質浄化活動をしている石岡緑の会(鈴木せつ子前代表)から「茨城県のシンボル的な存在である霞ヶ浦を浄化したい。」という呼びかけがあり、NPO緑の会、よもぎ会、西台虹の友、EMネット茨城などの協力により、「霞ケ浦をきれいにする会(飯塚敏夫会長)」が平成18年3月に発足した。これは、瀬戸内海、有明海、道頓堀川、日本橋川と続いたEM技術活用による水質浄化活動の展開と成果に刺激を受けたものであるが、U-ネット本部依頼による名橋「日本橋」保存会へのEM団子提供活動が、同会発足の直接の契機となっている。

 同会の活動は、霞ヶ浦に流入する主要な6河川の一つである恋瀬川に、EM団子と活性液を大量に投入して本格的な水質浄化を図ろうというもの。同活動は、手始めに同川支流の上谷原池(水田用水池・5.6ha)を拠点にEM投入を進め、流域住民による米の研ぎ汁EM発酵液の普及と投入を同時進行させている。同池は、生活排水などにより悪臭と水質悪化が問題となっていたが、4月からの7ヶ月間に、二万個のEM団子、24tのEM活性液、25リットルの米の研ぎ汁EM発酵液を投入し、既に、悪臭問題を解消している。
霞が浦浄化活動拡大の契機となった日本橋川浄化活動への参加。EM団子持参で駆けつけた霞ヶ浦浄化活動メンバー
霞が浦浄化活動拡大の契機となった
日本橋川浄化活動への参加。EM団子
持参で駆けつけた霞ヶ浦浄化活動メンバー


U-ネットもEM培養装置を無償貸与
 霞ヶ浦をきれいにする会は、イーエム総合ネットの技術支援の下、茨城県内のEM活動グループの連携と協力により活動を進めているが、活動参加者からの寄付金を資金源としているため、大きな活動の割には資金的基盤が極めて弱い(同会飯塚敏夫代表談)。同年7月に開催された善循環の輪・茨城の集いでは同会の資金不足の実情が披露され、同集いの参加者30名から寄付金が寄せられた。また、U-ネット本部からは、『恋瀬川の流域の人たちに働きかけて、米の研ぎ汁発酵液をどんどん作って流すよう頑張ってください。そのためには大量のEM発酵液が必要でしょうから百倍利器1台を提供します』との支援申し出があった。同百倍利器は7月中に配置され、培養されたEM活性液は住民提供や二次培養などにフル活動しているという(霞ヶ浦をきれいにする会事務局、大倉みや子さん談)。
 こうした協力の輪と活動は、今後、霞ヶ浦に流入する56河川の全域に拡大し、霞ヶ浦全域の水質浄化に繋がるものと、関係者から大きな期待が寄せられている。

北浦地区の霞ヶ浦でも活発化する河川の水質浄化活動
鉾田川の水質浄化で実績
 霞ヶ浦の東北部・北浦に隣接する鉾田市では、西台虹の友(市村はつゑ代表)が中心となり、平成9年からEM技術を活用した鉾田川の水質浄化活動が進められている。悪臭が消え、稚魚が多数復活し、平家ボタルやカワセミが戻るなどの大きな成果を上げている。
 同河川の浄化作戦は、平成7年頃から同市の生涯学習推進会議、青年商工会議所など5団体が協力して川の清掃、草刈などを進めていたが、平成9年11月からは、三年間にわたりEM技術を活用した水質浄化実験が進められた。同実験では、排水が流れ込む川沿い11箇所に200〜300リットルタンクを設置してEM活性液を毎週点滴投入し、EMセラミック・ボカシ・木炭を詰めた浄水キットをさっぱ船で数十箇所の川底に固定するなどの活動を進めた(同会市村代表)。こうした地道な鉾田川の水質浄化活動は、流域住民に大きな影響を与え、次々と協力者の輪を広げている。現在は、隣接小中学校や住民の協力で、EM団子やEM活性液活用による水質浄化活動を継続している。
 更に、今年10月からは、霞ヶ浦をきれいにする会への参加により、鉾田地区にもイーエム総合ネット提供による百倍利器が設置され、北浦に流入する最大河川・巴川の浄化活動も開始している。

霞ヶ浦の浄化は東の辻の水源から
 霞ヶ浦の北端にある石岡市では、石岡緑の会(大倉みや子会長)がEMの普及活動に平成7年から取り組み、平成9年からは、鈴木せつ子さん(同会前代表)を中心に、消防用水池、石岡駅前人工池、柏原公園池など各地でEM活性液・米の研ぎ汁EM発酵液を使った水質浄化活動を進めている。こうした活動の一環として進めた同市市街地にある<東の辻生活排水池>の浄化活動が住民参加による水質浄化活動に発展し、茨城県や近隣行政からも注目されている。長年にわたり悪臭と不法投棄に悩まされてきた同池は、東の辻町内会(佐藤信夫会長)の参加や石岡市の支援により、同池はもとより下流域までの悪臭が消えている。水質浄化活動の主体は、既に同町内会に引き継がれ、<霞ヶ浦の浄化は東の辻の水源地から>との標語の下、池周辺の散歩道の新設や蛍の養殖にまでに発展し、「石岡市の水質浄化モデル事業」にもなっている。



奈良県で広がる行政と協働のEM講習会・浄化活動
〜U-ネット奈良〜
斑鳩町「生ごみ堆肥化講習会」で、ごみの減量化に成功
 世界遺産国内第一号の「法隆寺」を冠するいかるがの里・奈良県生駒郡斑鳩町。斑鳩町住民生活部・環境対策課主催の生ごみの減量とリサイクルを目的とした「生ごみ堆肥化講習会」で、町からの依頼で平成12年より、講師を続けてきたU-ネット奈良県リーダーの後藤和子さん(U-ネット奈良)。EMボカシづくりの実践指導と使い方・米のとぎ汁の活用方法など、EMの普及に力を注いできた。
 平成11年度に7,175tあった廃棄物排出量は、平成15年には5,480tになり、約3/4にまで削減できた。

EMで池の透明度5倍
 生駒市生駒台北第一公園の小明池(2700m²)は、20年前からハスの枯れ葉のヘドロで悪臭を放つようになった。後藤さんの指導の下、市民グループ「生駒生活学校」と市との協働で、2005年9月EM活性液3tとEM団子600個、EMボカシ100kgを投入。2回目より毎月EM活性液1t、EM団子を300個(12・1月は凍結のためEM活性液のみ)投入してきた。2つあったヘドロの浮島は1つになった。9月には透視度9cmだったのが2006年2月には50cm以上に改善され、新聞で大きく報道された。
 今後は枯れたハスを取り除いたり、池の中心部にもEM団子や活性液を投入できるように市に交渉中という。

毎月一回、菰川水質浄化学習会
 奈良市の中心市街地を流れる菰川(こもがわ)。下水管の汚水が、一定水量以上になると堰を超え、菰川に流れ込む。もともと水量が少なく傾斜がないため、希釈もされずによどみ、悪臭を放ち、流域の人たちを悩ましていた。
 2004年8月、後藤さんの指導の下、地元の「菰川を美しくする会」と市の協働でEMを投入。その様子は新聞にも掲載された。以後毎月一回、EMの学習会を開催しながら、4か月に一度EM活性液2tと毎月EM活性液100リットルとEM団子を投入し、浄化をすすめている。EMを投入している場所では、ヘドロにまみれていた砂がさらさらした状態になり、めだかが増えているという。
 最初、EM団子や活性液を使った浄化方法については、「不法投棄」「今の生態系を変えてもらっては困る」といっていた市も、今では毎月の学習会に3〜4人が参加するなど協力的になってきた。今後は、地域自治会・学校関係・NPO関係の連携で、本格的に浄化に取り組んでいく方針という。

 EMの普及活動を続けて14年の後藤さん。天理市教育委員会やう田野(うたの)地域教育事務所、奈良市河川課、斑鳩町公民館が催す講習会やエコフリーマーケットへの出展依頼と引っ張りだこ。奈良市生涯学習での「EM講習会」は、今後奈良市内40か所ある公民館を回って、EM普及活動していく。 
後藤さん
後藤さん

 その活躍振りが認められ、平成18年1月、(財)奈良市生涯学習財団の「キラッと光る奈良のひと」に選ばれ、生涯学習フェスタでトークショー「EMって何?〜生ゴミを再利用〜」に出演した。
 「やれることを一生懸命やるだけ」と語る後藤さん。これからは農家の人にEMを使ってもらえるように、活動を広げていきたいという。EMを使った後藤さんの菜園では、たくさんの野菜が元気良く育っていた。



栃木県東部におけるEM活動の状況
 今回は栃木県東部におけるEMによる活動状況を中庭氏(U-ネット運営委員)の案内で取材した。陶器で有名な益子町においてEMのすばらしさに魅了され、本業(窯元)を廃業して、EMを活用した前処理装置の会社((株)レックEM益子)を立ち上げた河原さん、百目鬼 (どうめき) 川の浄化活動に取組中のEMネットましこの山川会長から話を伺った。

百目鬼川の浄化活動
 EMネットましこが取組んでいる百目鬼川の浄化活動は本年6月24日から、日本橋川の浄化活動で支援を受けている大塚商会会長(益子町出身・U-ネット会員)による活動支援を受けて開始。毎月第3土曜日に川へ2000個のEM団子投入とEM活性液1.5t(20リットル容器75個)を10地区に配布している。EM活性液は各家庭でから河川に流れる方法を採用。陶器の町益子ならでの優良な赤土30リットルにボカシ6リットル、活性液3.5リットル、EMセラミック60gを配合基準とし、赤土の湿り加減をみながら、活性液とボカシの量を調整して団子作りを行っている。製作1ヵ月後のEM団子は写真(右)のように白い菌糸に包まれた良い団子。団子作りはEMネットましこを中心に益子町女連等の他の団体の協力も得ながら作製。活動開始後約3ヶ月であるが、悪臭が消え、稚魚が沢山目立つようになってきた。ヘドロ状であった川底に砂が現れてきたなどと、他の市民団体から変化の話が聞こえるようになってきた。課題は来年以降の活動費への支援がまだ見えてないことである。
EM団子作り
EM団子作り


EMを活用した浄化槽前処理装置
 河原さんが開発したEMを活用した浄化槽の前処理装置は平成9年から構想と実験を繰返し、商品化の目途がついた平成14年に会社を立ち上げ販売を開始。最初は家庭用浄化槽用のマシコクリーン?型(好気、嫌気処理部を持つ2連(300リットル/槽)の装置(写真参照))でスタート。販売当初はEMの説明からで、理解を得るのに時間を要した。理解の進展とニーズに基づき産業用(マシコクリーン?型)も開発し、現在までに80基以上の販売実績が得られている。特許も今年の5月に取得。現在、北里大学に処理の科学的解明研究を委託。本装置の段階で悪臭は消え、浄化槽の中は金魚が飼えるほどの水質。公共下水道設置コストが割高な地域の単独浄化槽、合併浄化槽の水質改善に朗報。

周辺の活動
 二宮町ではEMネットましこ理事萩原氏による町長への働きかけにより3〜4年前から助役以下職員を含めてEMの勉強がはじまり、河原氏の協力のもと、10月5日に全町ボランティア連絡協議会による「EMによる生ゴミリサイクル」の研修会が開催され、生ゴミリサイクル活動を開始。芳賀町でも町を挙げて、EMボカシによる家庭からの生ゴミ処理堆肥化が推進され、電気式生ゴミ処理機への補助は打ち切られ、河原氏により5〜6回/年の講習会を開催。茂木町では1000名を越す会員によって河川浄化活動が推進中。  今、栃木県東部もEMに熱く燃えている。



山形県でEM技術活用グループのネットワーク化が始動
〜岩手県盛岡市での「善循環の輪集い・交流会」開催が契機〜
 岩手県では、比較的早い時期から農業を中心としたEM技術の活用が進められていたが、EMを活用する個人やグループによる交流の機会が少なく、特にボランティア団体による環境改善活動面では、地域限定的な活動が主流となっていた。
 こうした中、山形県南陽市の五十嵐諒U-ネット会員(土と食・循環の会会長)は、平成18年3月の「U-ネット通常総会」、9月の「善循環の輪岩手の集い」に参加し、県内活動グループによる情報交換・技術交流の必要性を痛感。早々、県内各活動グループへの働き掛けを進め、既に10グループ以上の代表と連絡を取り連携強化を訴えている。更に、大沼孝己U-ネット運営委員(東北西部地区担当)や安孫子雄一氏(寒河江EM研究会会長)と協議し、平成19年中の比嘉照夫講演会開催、平成20年中の善循環の輪・山形の集いの開催などを企画し、同県内のEMグループ連携強化による環境改善活動の活発化を進めている。

極上の野菜と果樹を収穫中
EM活用の家庭菜園で着々と実績
 山形県のEM技術を活用した環境改善に関わるボランティア活動は、寒河江市における河川浄化活動で大きな実績を持つ寒河江ロータリークラブや寒河江EM研究会などがある(U-ネット通信2004年11月号参照)。しかし、ネットワークづくりは緒についたばかりで、寧ろ、家庭菜園作りなど個々人によるEM技術活用面では目を見張るものがある。
 因みにその一部を紹介すると、南陽市宮内地区に住む松村茂平さん(75歳)は、十数年前から、近隣住民の家庭生ごみを引き受け、自宅の車庫倉庫内でEMを使って堆肥化し、その液肥と堆肥を家庭菜園に活用している。松村さんの家庭菜園は、野菜だけに留まらず、りんご、さくらんぼ、キューウィー、アケビ、椎茸作りにまで発展し、何れも極上品の野菜、果樹を作る人として近隣住民から高い評価をえている(五十嵐さん談)。

いつも笑顔が絶えない村松茂平さん(右)と五十嵐諒さん(U-ネット会員)
いつも笑顔が絶えない
村松茂平さん(右)と
五十嵐諒さん(U-ネット会員)
有機の廃棄物は何でもEM処理
 寒河江市本楯地区に住む安孫子雄一さん(寒河江EMの会会長、58歳)は、ロータリークラブの大沼孝己さん(U-ネット運営委員)との縁でEMに出会い、地元消防署に勤める傍ら大沼さん達と一緒に市内を流れる沼川の浄化活動に取り組んできた。河川の浄化活動を進める中、何時しかEMのとりこになったという。現在、自宅の大きな倉庫と庭は、各種EM活性液とボカシが仕込まれた二百リッターのドラムカンや菜園からの収穫物でぎっしりと詰まっている。安孫子さんは、持ち前の好奇心と研究熱心さで、豆腐カス、味噌カス、醤油カス、落下りんご、ブドウカスなど手に入るあらゆる有機廃棄物をEM漬けにし、その液肥は自宅の排水路を通して河川浄化に結びつけ、発酵したボカシは家庭菜園に投入している。自宅に隣接する安孫子菜園の土はフサフサとなり、採れる野菜は美味しく超大物ばかりで近隣住民や農家の評判となっている。

「JAさがえ西村山」女性部では千世帯参加のEM石鹸作りをスタート
 JAさがえ西村山(寒河江市と近隣4町で構成)では、寒河江EMの会(安孫子雄一会長)の指導で平成18年3月から廃油を活用したEM石鹸作りを本格的にスタートした。同JAによる廃油からの石鹸作りは10年以上続けられてきたが、石鹸作り作業中の臭いや汚れの問題が有り、活動が停滞していた。そこで、廃油リサイクル活動を一歩前進させるため、今年3月にEM活性液とEMセラミックを使ったEM石鹸作りをJA本部で実施したところ、家庭に持ち帰ったEM石鹸が「手肌がすべすべになる」「流しシンクの汚れが消えた」と評判になり、これが契機となって1000世帯参加の本格的な活動に発展している(同JA 生活課浦山照子生活指導主任)という。米の研ぎ汁EM発酵液作りも同時並行して進められており、同JA女性部を核とした家庭からの環境改善活動として住民から注目されている。この活動は、今後さらに各JA女性部間の交流に発展し、環境問題の解決に繋がるものとして期待されている。



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