活動状況

生態系が改善しホタルも復活した江戸城外濠
日本橋川・神田川の水質浄化活動が外濠の浄化に発展

 平成17年7月、第35回日本橋橋洗いイベントでのEM石鹸使用とEM団子投入に始まった地元住民たちによる日本橋川の水質浄化活動。翌18年12月には、区行政の協力を得て、千代田区西神田の堀留橋近くにEM培養装置が完成して毎週10トンのEM活性液が日本橋川に投入されるようになった。同活動は、日本橋川の浄化から、上流の神田川へ、さらに外濠の浄化活動に発展し、生態系の回復に大きな成果を上げている。今回は、千代田区の町内会を中心に組織化された「日本橋川・神田川に清流をよみがえらせる会」(林勇会長)の活動を中心に、都心部における住民たちによる水質浄化活動の一端を紹介する。


水面が美しい江戸城外濠・牛込濠 毎年2〜3万個のEM団子が投入されている
水面が美しい江戸城外濠・牛込濠
毎年2〜3万個のEM団子が投入されている
EM団子投入作業に参加した地元小学生たちに優しく語りかける林勇会長
EM団子投入作業に参加した地元小学生たちに
優しく語りかける林勇会長

ホタルの名所として雑誌に紹介されるようになったカナルカフェのホタル用浮島
ホタルの名所として
雑誌に紹介されるようになった
カナルカフェのホタル用浮島


ヘドロのスカム発生源は何処か
 同会の準備委員会は、名橋「日本橋」保存会との協力連携により、平成18年1月に日本橋川上流の新三崎橋からEM団子の投入を開始。同年8月に「日本橋川に清流をよみがえらせる会(後に神田川を追加した名称に変更)」を発足させている。
 同会は、平成18年中に累計11,000個のEM団子を日本橋川に投入し、前出の通り、同年12月からは毎週10トンのEM活性液投入を始めた。こうした積極的な水質浄化活動の展開により、ゴカイ、イトミミズ等の底生生物が現れ、川の悪臭も徐々に解消されて来た。しかしながら、水温が上昇すると、水底から剥離したヘドロのスカムが発生。その発生源を辿ったところ、外濠で発生したスカムが神田川を経由して日本橋川に流れ込んでいる事が判明。早々、発生源(外濠)の浄化活動に取組むこととなった(同会事務局談)。

外濠の浄化にもEM団子と活性液を活用
  同会では、スカムの発生源である三つの外濠のうち、最下流に位置する牛込濠(飯田橋)へのEM団子投入を平成19年に開始し、同年に4回計36,000個、翌20年30,000個、21年20,000個、22年にも20,000個と大量のEM団子を継続して投入している(詳細は、同会のHP参照)。
 これ等の活動には、同会のメンバーに加え、地元千代田区の企業従業員、地元の大学生、関東各地の環境NPOなどからのボランティアが加わり大きな活動の輪に発展している。
 また、同会では、前出の三つの外濠のうち最上流に位置し、大雨の際に生活汚水が生のまま流入していて水質汚濁が酷い市ヶ谷濠を浄化するため、平成20年6月から、週2トンのEM活性液を、西神田のEM培養装置10トンから分割して同濠に投入している。(次ページへ続く)






活動状況

濠や川の水質改善を通して新たな伝統文化を育む

河川浄化活動「ブリッジキャラバン」が定着
〜地元各小学校の恒例行事として継続中〜
あいあい橋:EM団子を投げ入れる富士見台小の子供たち
あいあい橋:EM団子を投げ入れる
富士見台小の子供たち

新三崎橋付近の日本橋川、水質改善が進み魚群が見られる
新三崎橋付近の日本橋川、
水質改善が進み魚群が見られる
 日本橋川・神田川に清流をよみがえさせる会では、千代田区の行政と協力し、地元の各小学校の児童を対象とした河川浄化活動「ブリッジキャラバン」を平成20年6月から開始し、毎年恒例の行事として定着させている。
これは、地域の子供たちに“川の浄化活動に参加してもらいながら、神田川・日本橋川や同川に架かる橋に親しんでもらいたい”との想いで企画されている(同会事務局談)。また同時にキャラバンの対象となった川や橋の歴史を学んでもらう。地域の新しい伝統行事を育む意図が含まれている。同キャラバンには、江戸橋、鎧橋、昌平橋など歴史に登場する多数の橋が含まれ、浄化のため用意されたEM団子が、子供たちのかわいい手で投げ入れられている。
日本橋川や神田川の存在すら知らなかった子供たちも、同キャラバンに参加した経験から“川の水はきれいになったかなー”とか“川の魚は増えたかなー“などといってはコンクリートで垂直に覆われた川を覗き込む子供が増えている(地元民談)という。



水面や川からの景観をたのしむ
〜千代田区にエコボートが登場〜
ライフワークで美しい自然と景観の再生に取り組む大塚実特別顧問(右)
ライフワークで美しい自然と景観の
再生に取り組む大塚実特別顧問(右)

エコボート:エコボートで川からの景観を愉しむ子供たち
エコボート:エコボートで川からの
景観を愉しむ子供たち
 同会特別顧問の大塚実さん(大塚商会名誉会長)は、会社が日本橋川沿いにあり、悪臭を放つ川を事務所から眺めては、何とか改善できないものかと考えていた(同氏談)という。同会の発足や水質浄化活動には、物心の両面から大きな役割を担っている。また、同氏は、水質浄化活動が軌道に乗るのと並行して、電池で動くエコボート2隻を千代田区に寄贈している。
“地元の住民や子供たちに、川面や景観を心から愉しんでもらい、そして、きれいな川の維持や景観の再生に関心を持ってもらいたい”との強い想いからの行動という。同氏の好意に感謝し、このボートが、日本橋川・神田川の水質改善や美しい景観づくりに役立ち、“環境を守る舟遊びの伝統”として、この都心に定着することを願わずにはいられない。


カナルカフェの浮島ではホタルが生息
〜水質浄化が進み2年連続でホタルを鑑賞〜
ホタル復活を実現した羽生裕子オーナー、 右手がホタル生息地 (1面の右下段の写真参照)
ホタル復活を実現した羽生裕子オーナー、
右手がホタル生息地
(1面の右下段の写真参照)
 この地区の江戸城外濠は、上流から、市ヶ谷濠、新見附濠、牛込濠の3濠で構成されている。通常は下水処理場からの処理水が市ヶ谷濠に流入している。前出の通り、大雨時の際に、生活汚水が生のまま放流されるため、汚濁が酷く、悪臭が漂う濠となっていた。平成19年7月からのEM団子、20年6月からのEM活性液投入により、悪臭が消え、水質の改善が順調に進んでいる。
牛込濠のカナルカフェ(羽生裕子オーナー)では、日本橋川・神田川に清流をよみがえらせる会による水質改善活動に敬意を払い、自らも同会の活動に積極的に参加して水質浄化活動に取組んでいる。
同オーナーは、濠の水質改善を確信した平成20年頃から、長い間心に留めていた“ホタルの復活”に挑戦することにした(同氏談)という。21年夏には1匹のホタルがレストランの一角に作られた浮島の中で舞い、マスコミにも取り上げられた。22年には、6月中旬から7月の間、同所でのホタルの鑑賞が可能になっている(詳細は、同レストランのHP参照)。そして、都内でホタルを鑑賞できるレストランとして椿山荘とともに雑誌に紹介されるまでになっている。

お濠の水底が見え、エビが泳ぐ
 平成22年5月初旬には、数十年ぶりにカフェ桟橋付近の水底がはっきり現われ、エビの泳ぐ姿も観察。オーナーたちの目に涙が流れた(同)という。興奮した同レストランのシェフは、エビを掬い、てんぷらにして賞味までした。

お客さまにも環境浄化活動に参加を
エコ募金箱:鯉の餌代、エコバックの収益金を 全額環境浄化に活用
エコ募金箱:鯉の餌代、エコバックの収益金を
全額環境浄化に活用
 同レストランでは、訪れるお客さまにも水質浄化や環境問題に関心をもってもらおうと、鯉に与える餌やエコバックを店内で販売し、その収益金を環境活動団体に寄付している。既に、1万5千人以上の協力者が出ている(同)という。








活動状況

継続は力なり 岩手のEM活用
〜期待される若手の台頭〜

 岩手ではラジオ番組を10年間放送しており、EM技術が多方面に展開されている。Uネット東北地区顧問の高橋比奈子運営委員の案内でUネットから広がる数事例をご紹介する。

EM最新技術を取り入れた銀河農園八幡平農場
幅1m、深さ40cmの間隔でEMダンゴを埋め込む外山一則さん
幅1m、深さ40cmの間隔で
EMダンゴを埋め込む外山一則さん
 銀河農園八幡平農場(八幡平市)では、畑にEMダンゴを埋め込む最新のEM農法を導入している。EMダンゴを埋め込んだ畑から生産されるトマトは、10倍に薄めた活性液を週1回散布するだけでアブラムシなど害虫の発生がない。もちろん味は抜群。実が厚く種が小さく香りも強い。人による受粉作業もなしで実が付く。こうした安心安全なEM農法が普及すれば、美味しくて体に優しい作物が提供できる。農薬を使わないので作業環境も良く、肥料も少なくて栽培経費も安く済み、持続可能な農業が成り立つのである。この農場で働く外山一則さんは「EM農法で日本一のトマト農家を目指したい」と抱負を語った。

みちのくのハリウッド「えさし藤原の郷」
伽羅御所の池で、江刺開発振興(株)の 飯森功常務(右)とえさしふれあい工房の 菊池元了元所長
伽羅御所の池で、江刺開発振興(株)の
飯森功常務(右)とえさしふれあい工房の
菊池元了元所長
 奥州市にNHK大河ドラマのロケ地として度々登場する歴史文化公園「えさし藤原の郷」を訪ねた。現在、「龍馬伝」もここでロケをしている。テレビや映画の時代劇は度々ここが利用されている。この郷の中心的施設である伽羅御所(きゃらのごしょ)の池はEM活性液で浄化されているので、悪臭もアオコの発生もほとんど無く池の鯉も元気に泳いでいる。この池の浄化作業は「えさし藤原の郷」を管理する江刺開発振興(株)が障害者福祉作業所「えさしふれあい工房」に委託している。

EMの効果!高松の池周辺に蛍
高松の池の浄化を推進する 「高松公園と親しむ会」の 千葉健一事務局長(手前)
高松の池の浄化を推進する
「高松公園と親しむ会」の
千葉健一事務局長(手前)

 日本桜の名所100選に選ばれた盛岡市内の高松公園の高松の池は「高松公園と親しむ会」と岩手のUネットメンバーが共同で平成13年以来EMによる浄化活動が継続されている。今では水質浄化が進み、池周辺に清々しい空気がたたずみ、魚や水鳥も多く生息し豊かな生態系が確立されている。また3年前から、公園内の池に流れ込む小川周辺や葦が生える池の上手に多くのゲンジボタルやヘイケボタルが舞い飛ぶようになっている。



アメリカシロヒトリが消滅し、癒しの空間に
一ノ倉邸の庭園で、一ノ倉邸管理保存委員会の 西郷会長(右)と高橋運営委員
一ノ倉邸の庭園で、一ノ倉邸管理保存委員会の
西郷会長(右)と高橋運営委員
ー 盛岡市一ノ倉邸 ー
 盛岡市の保護庭園「一ノ倉邸」は敷地約8600?の大邸宅。この歴史的な邸宅内の木々はアメリカシロヒトリ(以下「アメシロ」)の餌食になり、その害は周辺にまで及んでいた。
 そこで平成13年から数年間、邸内全ての木々に大量のEM活性液が散布され、現在に至っている。今ではアメシロの発生が無いどころか、蚊や人を刺す蜂もいなくなり、紅葉の期間も長くなり鮮やかさも増した。また、落ち葉の分解が早いので落ち葉掃除が楽になったなどEMの効果が顕著だ。邸を管理する「一ノ倉邸管理保存委員会」の西郷和子会長は「ここに来ると癒されると言うリピーターが多い」と語った。

EMを生ごみ堆肥化施設の悪臭と排水溝対策に
盛岡・紫波地区環境施設組合 コンポストセンターの浄化装置。 センターを管理する同組合の中村明彦氏(左)
盛岡・紫波地区環境施設組合
コンポストセンターの浄化装置。
センターを管理する同組合の中村明彦氏(左)
ー 盛岡・紫波地区環境施設組合 ー
 盛岡・紫波地区環境施設組合は、昭和54年から生ごみの堆肥化に取り組んでいる。しかし、ここから発生する悪臭等で周辺住民や作業員を悩ましていた。そこで平成15年にEMによる消臭対策を試行、平成16年に百倍利器を導入しEM活性液による悪臭対策を実施した。悪臭はすぐに解消し周辺住民からの苦情も減り、現場で作業する人たちも働きやすい環境になった。現在は排水溝他に活用しヘドロも無い。ここで作られる生ごみ堆肥「田園有機」は15キロで350円と安価で県内農家に好評だ。


手紡ぎ手織りのホームスパンもEM で
みちのくあかね会作業所で、 手前は羊毛を手紡ぎする作業、 奥は手織り作業と全てが手作業。
みちのくあかね会作業所で、
手前は羊毛を手紡ぎする作業、
奥は手織り作業と全てが手作業。
ー みちのくあかね会 ー
 ホームスパンとは、英国の手紡ぎ手織りの高級羊毛製品として世界的に有名だが、本場英国では作業工程全てが手作りの製品は消滅している。完全な手作りで本物のホームスパンが盛岡市のみちのくあかね会(商標は「織座」)で作られている。製品としては、洋服生地、ストール、マフラーなどで、軽やかな風あいと温かさは本物ならではの着心地。平成15年からは作業工程にEMを用いてアレルギーなど肌の弱い人にも安心して着られるホームスパン製品も製造販売している。






活動状況

環境改善は 一人ひとりの行動から
〜大分市でEM技術を活用した環境改善活動が本格始動〜

 “流す水 明日は自分にかえる水”。これは、生活排水対策を進めている大分県が選定した平成19年度の優良標語。県内各地でボランティア活動が進められている中、EM技術を活用した環境改善活動や家庭菜園・農業などに取組んでいるグループもある。
 今回は、U−ネット会員の浅野盛司さん(企業組合 EMハートエコロジー専務理事)に、大分市周辺のEM活用先を案内して頂いた。因みに、同氏は、平成22年5月に福岡県柳川市で開催された善循環の輪・福岡南部の集いをインターネットで知り自主参加。EM活用の環境改善が全国的に展開されていること知って刺激を受け、本格的なEM普及と環境改善活動を始め、善循環の輪・大分の集い開催を目指している。

EM普及の草分け
針宮さんのEM水稲田 (右から池永、針宮、浅野の皆さん)
針宮さんのEM水稲田
(右から池永、針宮、浅野の皆さん)
 大分市古ヶ鶴地区に住む池永栄さん(企業組合EMハートエコロジー理事長)は、会社を退職して間もない平成の始めごろEMの存在を知り、先進地を訪ねてEM技術を習得し、EMボカシづくり、家庭生ごみのリサイクル、EMによる米作りなどの普及にあたっている。4年前からは、この技術が娘婿の浅野さん(前出)に引き継がれている。
 同氏は、平成5〜6年頃に地元マスコミに活動の様子が取り上げられ、大分市各地でEMボカシづくりや活用方法の講習会を開催していたという。その中の一人で同市種具地区に住む針宮辰巳さん(当時の自冶会会長)は、池永さんの講習会をきっかけにEMボカシによる水稲栽培をはじめ、現在まで22年間続けている(同氏談)。また、同氏は、美味しいお米を作る農家として有名になっている。


街の川をきれいにしたい
地元の裏川をきれいにしたい面々、 分藤会長(右から2人目) 西原館長(中央)と仲間たち
地元の裏川をきれいにしたい面々、
分藤会長(右から2人目)
西原館長(中央)と仲間たち
 津留女性の会(分藤一子会長、20名)では、EMボカシを用いた生ゴミの減量化や河川の浄化活動が顕著であるとして、平成22年5月に、大分市(釘宮磐市長)から表彰を受けた。
 同会は、更に地域を流れる裏川を綺麗な川にしたい、として同地区の公民館(西原久雄館長)や地元自治会、大分県土木事務所に協力を呼び掛けている。地元小学校の児童やPTAとの連携も検討されており、今後の活躍が期待されている。


養鶏農場でのEM飼料活用で成果 
タマイファームの鶏舎。 若手経営者の玉井さん(左)
タマイファームの鶏舎。
若手経営者の玉井さん(左)
 大分市上戸次峰畜産団地の鶏卵農場タマイファーム(玉井武志代表)では、3年ほど前から、四千羽の鶏にEMボカシを3パーセント飼料に混ぜて与えている。鶏舎特有の臭いが殆ど無くなり、産卵期間が半年延び、死亡率が下がるなどの効果が上がっている(同代表談)。
 同ファームでは、EMボカシを浅野さんから仕入れ、鶏舎から出る鶏糞も浅野さんが引き取っている。同鶏糞はEM入りたまご肥料として製造・販売し、利用者から好評を得ている(浅野さん談)という。同事業の発展と近隣畜産業へのEM利用拡大が期待されている。


工場からの洗浄排水にEM活用 
染色工場排水にEM活用を開始。 工場担当者の糸永さん(左)
染色工場排水にEM活用を開始。
工場担当者の糸永さん(左)
 大分市府内地区に本社のある?太田旗店(太田恵三社長)では、社長の指示で、荻原工場周りの排水溝や敷地の浄化にEMの活用を最近開始し、臭いやヘドロの解消に効果を上げている。前出の浅野さんが、活性液の培養器具を提供し、培養方法や使用方法を工場担当者(糸永太紀さん)に指導している。印刷・染色・織物工場でのEM活用先進事例もあることから、今後更に、視察や実践を積み重ね、生産工程へのEM活用へと拡がる事が期待されている。




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